ネズミ
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目次
発生時期
10月~3月の寒い時期にかけて発生し、ピークは1月~2月の真冬
特徴
一度住み着くと、文字通りネズミ算式に増殖!
1度侵入すると家に住み着いてしまいます。
そして生後90日で繁殖を始め、1頭から一度に約6頭の子ネズミを出産します。
これを年間に約5~6回繰り返し知らぬ間に大繁殖をしてしまうので、被害も時間が経つにつれて大きくなっていきます。
被害を最小限に抑えるためにも「見かけたらすぐに駆除・退治」が鉄則です。
ネズミ被害は年々増加傾向にあり、「スーパーラット」というネズミ駆除の薬に対する抵抗力の強いネズミが増えています。スーパーラットには市販の殺そ剤では、効果がありませんので、必ずプロへ駆除の相談をしてください。
考えられる危険・リスク
病源菌や寄生虫による健康被害
ネズミはサルモネラ症、レプトスピラ症(ワイル病)、ツツガムシ病、鼠咬症など、食中毒をはじめとする感染症を媒介します。
他にも、”イエダニ”という吸血性のダニがネズミ1匹につき1000匹も寄生していると言われ、ネズミが死んで血を吸う相手がいなくなると人の血を吸うことがあり、アレルギーや皮膚炎を発症する原因となります。
停電や火災
ネズミは伸びてくる歯を削るために食べ物以外にも物をかじる習性があります。
家の壁や電気配線、ガスホースなどはかじられすいため注意が必要です。
内壁に穴を開けられると、新たなネズミの侵入口となります。また、配線やガスホースをかじられると停電や火災発生のリスクが高まるため、必ず防ぐ必要があります。
生態
ネズミは寒さに弱いため、寒さをしのぐことができる人の住居に侵入します。
特に冬は、暖房の効いた部屋の天井裏などを好んで住み着きます。
夜行性のため、日没後と夜明け前に活発化し、壁際や物陰を通路として行動するため、めったに広い空間は横切りません。
また、ネズミはとても胃が小さく、丸一日なにもご飯を食べなければすぐに死んでしまうため、こまめに何かを食べる必要がある動物でもあります。そのため、食料が豊富な家では、当然ですがネズミが住み付きやすくなります。特に築年数が20年、30年と経っていて、造りの古い建物では隙間や穴などの侵入経路ができやすいため。特に注意が必要です。
種類・見分け方
日本の家屋で見られるネズミは、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの3種類です。
ドブネズミ
体長 220~260mm。小さな耳、丸い鼻と重量感のある太い胴体、そして灰色の腹部を持っています。湿度を好み、巣は土中に穴を掘る習性があるので、床下に住み着きやすいです。夜になるとエサを探すために家の中を歩き回りますが、用心深いため人目につかないルートを移動しています。
- ・大型
- ・床下、下水溝で見かけた。
- ・建物が川辺に近い。
- ・先がとがっていてまとまっていて太いフン。
クマネズミ
体長150~230mm。とがった鼻と大きな耳、そして細い胴体。屋内に多く、垂直移動が得意で建物上層階まで生息し、天井裏などで紙やビニール、布などを使って巣を作ります。
警戒心は強く、罠をよけたり毒に耐性を持っていたりと駆除が難しいネズミです。
- ・中型
- ・天井にいる、壁伝いで移動、配管を登る。
- ・天井や屋根裏で暴れる音がする。
- ・細長いフン。動きながら排泄するため、バラバラに落ちている。
ハツカネズミ
体長 60~90mm。頭も胴体も小柄で尻尾も短い。単体で見た場合、被害は非常に少ないねずみになりますが、放置しているとすぐに数が増えるので非常に厄介です。
都市部よりも郊外や農家の倉庫などに多く生息しています。
- ・小型
- ・農村環境など自然環境に隣接している建物に多い。
- ・米粒ほど小さいフン。両端が尖っている。
発生しやすい場所
ラットサイン(ネズミがいる証拠)を見つけましょう!
ネズミは警戒心が強く、夜行性なので人目につく時間帯にはなかなか現れません。ただ、ネズミがいるかどうかは、「ラットサイン」があるかないかで判断できます。
食べ物のそば
かじられた跡がある。
柱や壁
柱や壁が剥がれてかじられた跡がある。また、壁に汚れや黒い線が付着している。
天井裏
天井からコトコト音がする。雨漏りのようなシミができている。
侵入経路
ネズミはわずか1.5cmほどのすき間があれば侵入します。侵入経路を作らないように気をつけましょう。
- ・屋根下の通気口
- ・建物の基礎
- ・網戸の隙間
- ・エアコンの配管
- ・下水や排水口
- ・換気扇やシャッターの隙間
予防方法
侵入口を作らない
屋根や壁に穴、すき間がある場合はそれらがネズミの侵入口となります。また、配線やガス管などの導入口周辺も壁に隙間が無いか、要チェックです。
穴やすき間があった場合は、ネズミに齧られない材質(金属板、金網、金属たわし、コーキング材、モルタル、セメント)などで徹底的に封鎖しましょう。
餌を断つ
ネズミはエサを探して建物内に侵入します。建物内にエサとなる食品カスなどのゴミは放置されていると、住み着いてしまう原因となってしまいます。
ネズミのエサを絶つには、食材類は冷蔵庫や密閉容器に入れ、食品保管庫は密閉構造にします。調理で出た生ゴミ類は密閉したゴミ容器に入れ、排水口や床に残さないようにします。使用した食品類は洗浄して食器棚に収納します。
ネズミ発生防止のために駆除だけでなく予防をしっかり行い、ネズミが生息できない環境作りを意識することが大切です。
駆除方法
直接的な駆除
粘着ボード、捕獲器
設置式の罠をセットして、ねずみを捕まえる方法です。効果の高い罠になります。 また、捕獲された場所によってねずみの通り道を特定することも可能です。
薬剤散布
速効タイプの薬剤が多く使われ、ねずみを混乱させ弱体化させる効果があります。
また、アレルギー体質の方でも大丈夫なように、様々な薬品を用意することで人体の安全に考慮した薬品使用を心がけています。
毒エサ
血液凝固を起こす薬品やホルモン系の異常を起こすエサを食べさせることによってねずみを駆除します。速効性はありませんが、喫食率が高ければ繁殖したねずみの根絶も可能です。
ネズミが生息できない環境作り
燻煙式忌避剤・音波発生器
薬剤の忌避成分や超音波の効果によってねずみを追い払います。忌避剤のメリットはなんといっても長期性。 薬剤効果が切れるまでの間、ねずみを住宅に寄せ付けません。また、音波発生器の複数設置などによって、住宅全体の防除も可能になります。
再発防止策・二次被害対策
侵入口の遮断
ネズミ駆除で最も重要なのが駆除後のネズミの再侵入を防ぐことです。
侵入の可能性の高い所をチェック。金網や動物用ネットを使用し、侵入経路を完全に塞ぎます。
侵入口の遮断はネズミ被害だけでなく、今後のあらゆる害獣被害の予防になります。
建物の修繕・除菌消毒
ネズミを捕獲・駆除した後に残るのが排泄物。これらは悪臭や害虫を発生させたり、アレルギーの原因となる可能性があります。
また、排泄物により柱や壁を腐らせたり、コードをかじった事による停電や火災の危険も考えられます。
駆除しただけ終わるのではなく、その後の修繕や除菌消毒作業も徹底することによって二次被害を防ぎます。