冬でも害獣に要注意!どんな動物による被害が多いの?

害獣は冬を乗り越えるために建物に侵入し、住み着きます。
それだけでなく春先には繁殖を開始し、個体数が大幅に増えているかもしれません。

寒い冬には害獣の行動が鈍くなるかもしれませんが、暖かい場所を求めて建物に侵入します。

冬であっても害獣対策は必要です。

そこで、寒い冬に住み着く害獣の種類や被害事例・侵入対策について解説します。

冬に注意すべき害獣はネズミ!

「冬になり寒くなれば動物は冬眠するから害獣も出ない」と思い込んでいませんか?
それは全く違います。

特に「イエネズミ」と呼ばれるネズミ3種は野ネズミと違い冬眠をしません。
したがって、冬でもネズミによる被害はあります。

以下の表は、東京都福祉保健局が発表した「令和元年度 ねずみ・衛生害虫等被害発生・相談件数」の一部分を抜粋したものです。

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
ドブネズミ 8 22 11 46 39 49 80 56 31 33 26 20
クマネズミ 114 96 95 107 81 98 172 146 154 151 121 88
ハツカネズミ 0 0 0 1 5 0 1 2 1 3 0 2
その他 248 339 349 408 305 404 467 476 424 393 448 0
小計 370 457 456 566 425 552 721 679 612 577 597 378

引用:東京都福祉保健局「令和元年度 ねずみ・衛生害虫等被害発生・相談件数」

春先の3月・4月は370件程度ですが、10月から2月の秋冬は被害・相談件数が577~721件と増えていることが分かります。

ネズミの種類と特徴

冬にも被害をもたらすイエネズミ3種について解説します。

1匹目は「ドブネズミ」です。
その名からも推測できるように下水などの湿気が多い場所を好みます。

2匹目は「クマネズミ」です。
運動能力と学習能力が高いことが特徴で、近年ではクマネズミが進化したとも言われる「スーパーラット」という駆除が難しい個体が確認されています。

3匹目は「ハツカネズミ」です。
体長6~10cmと小さく、壁やシャッターのすき間などから侵入します。

どのネズミも発生時期は10月~3月で、1月~2月が発生ピークと言われています。

ネズミはどこに潜んでいる?

建物内に侵入したネズミはどこに潜んでいるのでしょうか?

ネズミは暖かい場所を探し、厨房機器や家電から出る排熱・暖房のきいた建物、雨風をしのげる天井裏や室内などに潜んでいます。

最近の住宅は気密性・断熱性に優れているので、ネズミにとって住みやすい場所といえるでしょう。

冬期におけるネズミ被害

秋から冬にかけてネズミが発生し、被害・相談件数が増えること、天井裏などの暖かい場所に潜んでいることがわかりました。

では、冬期におけるネズミ被害にはどのようなものがあるのでしょう?

足音などの騒音

ネズミの発生時期は10月~3月です。
数が増えれば足音も増えます。

冬の方がネズミの足音がうるさいと感じるのは頭数が増えたためです。

停電・火災

特に注意したいのが停電と火災です。

ネズミは死ぬまで歯が伸び続けるため、硬いものをかじって歯を削ります。
このとき配線をかじることもあり、停電・火災につながる可能性があります。

そして、冬は乾燥注意報が発表されるほど空気が乾燥する時期です。
かじった配線がショートすれば火災につながる危険性があります。

アレルギーや感染症の発症

ネズミだけでなく野生動物にはダニ・ノミがたくさんついています。

ダニの体や死がい・糞はアレルギーを引き起こす原因となるので、室内を清潔に保たなければいけません。
そのため、ネズミによってダニが大量発生してしまう前に駆除するのがよいでしょう。

ネズミはアレルギーだけでなく細菌や病原菌をまき散らし感染症を引き起こす可能性もあります。
噛まれれば鼠咬症(そこうしょう)とアナフィラキシーショック、噛まれなくてもサルモネラ症やレプトスピラ症にかかってしまうこともあります。

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まとめ

冬に発生する害獣について、ネズミに着目して特徴や被害事例をご紹介しました。

ネズミは秋・冬にかけて増えるので「寒いから出ないだろう」「家が新しいから大丈夫」という油断は禁物です。
冬眠しないネズミが被害をもたらすほか、地震の揺れによって外壁にひびが入ってしまうこともあります。

ネズミは小さなすき間などあらゆる場所から侵入する害獣です。
まだ業者による害獣対策をしたことがない家は、冬を迎える前に調査を依頼されてみてはいかがでしょうか?